眼窩蜂窩織炎

眼窩部分の脂肪組織に起こる炎症のことを眼窩蜂窩織炎と言い、小児に多く発症します。

眼窩蜂窩織炎

眼窩蜂窩織炎とは

眼窩と副鼻腔

眼窩蜂窩織炎(がんかほうかしきえん)は眼窩蜂巣炎(がんかほうそうえん)とも言う。

眼球が収まっている、骨で囲まれた部分を眼窩と言い、そこの脂肪組織に起こる炎症のことを眼窩蜂窩織炎と言います。小児に多く発症する為、重症化しやすく注意が必要となります。

眼窩蜂窩織炎の症状

熱や痛みを伴う瞼の腫れ、結膜の浮腫、充血があります。
瞼を触ると強く痛み、眼が飛び出してきたり(眼球突出)、眼が動かしにくくなり、物が二重に見えることもあります(複視)。

症状が強くなってくると、炎症は眼内までに及び、視力低下を起こします。発熱、倦怠感、頭痛、吐き気などの全身症状が起こる場合は髄膜炎や敗血症の疑いもあります。

眼窩蜂窩織炎の原因

近接する副鼻腔から炎症が広がることが多く、必ずしも眼から感染するものではありません。
他にも一般的ではないが、歯、頭蓋内、顔面の病気の感染拡大や、外傷や手術によって細菌が付いた異物が眼窩に触れることで炎症を起こす場合もあります。

原因菌としては副鼻腔炎感染症に関連する肺炎レンサ球菌、または外傷から起こる場合は黄色ブドウ球菌が多いと言われてます。

眼窩蜂窩織炎の検査

診察で眼を見ただけである程度の診断ができますが、神経画像検査にて眼窩内の病状や副鼻腔の様子を確認することが重要です。血液培養をして炎症の原因となった菌がわかれば、薬に対する感受性検査も行います。

眼窩蜂窩織炎の治療

緊急だと一週間ほどの入院が必要となります。感受性のある抗菌剤の点滴静脈注射を行い、稀に外科的排膿をします。副鼻腔や歯の病気が原因の場合はそれぞれの専門医の治療も必要となります。
早期発見、早期治療であれば、後遺症もなく完治しますが、手遅れになると生命の危険性もある為、少しでも違和感があったら早めの眼科受診が重要です。